文系出身者の建築構造計算 GenS Weblog

建築構造計算に関する情報 と 文系出身のGenSが極めて私見を綴ったWeblogです。たまに趣味ネタも書いてます。


人生の答え

これまで私の思考・嗜好・志向について色々とお話ししてきたが,私が不惑に得た初心というべき信念(=人生の答え)についてお話ししよう。

この答えを得ることが,人として大人になるということであり,それは今生を貫き決して変わることのないもの。だから答えなのだ。

あれはたぶん三十代の頃,当時勤めてた会社の社長が「全原因自己という言葉を知ってるか?」と私に尋ねられた。当然知るはずもなく「何ですかそれ?」と聞き返すと,「己の身に起こるすべての出来事の原因は,すべて己自身にあるとする考え方だ」と答えられた。

そのときは深く考えることもなく時間だけが過ぎたが,なぜか引っかかる言葉でずっと気になっていた。この言葉・思考・精神を完全に租借し,己の血となり肉とするにはかなりの時間を要したが,不惑を前にようやく理解することができた。

もう少し平たく言えば「己を滅し,人様に尽くす」ということ。

もっと噛み砕いて言うと,たとえ相手に100%非があるような出来事でも,私の言動に不備はなかったか?こちらの配慮で未然に防ぐことはできなかったか?本当に自分が被害者で非はすべて向こう側なのか?私にも何か原因や責任はないのか?と,相手ではなく己の中に原因を探すということだ。

このように思って生きると,今までモノトーンで色味が薄く味気なく思ってた世界が,突然色鮮やかなフルカラーハイヴィジョンの世界に変わる。まさに魔法にかかった気分だった。

つまり,相手をコントロールするのではなく,変えられるのは自分だけだから,人を責めるような感情は生まれない。そこは常に内向きで己に問いただすだけ。だから,悪口陰口の類とは無縁になるし,相手に対して自分が出来ることを探す生き方になるから,自然と人に優しくなれる。

そうすると,変わったのは自分だけなのに,周りに居る人々の私への接し方が徐々に変わってくる。これが前述の魔法。原因を探す対象を自分だけにすると世界が変わる。

この魔法にかかると次々と新しい気付きを得ることになる。まるで芋蔓式に…(笑)

「幸せは思いがけず向こうから何の前触れもなく突然笑顔でやってくる」
「幸せには前髪しかない」「幸せには後ろ髪はない」
「幸せの後姿は幻,後ろ髪を掴んだと思っても,するりと指の間からこぼれ落ちる」
「人は誰かを幸せにできても自分自身を幸せにはできない」
「人は誰かを幸せにするために生まれてくる」

だから「幸せになるための…」なんていうタイトルの本の中身も,読まずしてすべて解かる。それは例え話しが異なるだけで中身は全原因自己の精神が描かれている。

比較的最近気付いたことは,崇める神も人種も言葉も異なる世界中のありとあらゆる宗教も,身近なところでは坊主の説法も,その根底には全原因自己の精神が流れている。

「人様に尽くせ」「徳を積みなさい」と言っている。

時代も生活習慣も異なるのに,根底にあるものが同じだと気付いた。

心理カウンセラーの類の言葉もそう。「どうしたら幸せになれますか?」と相談すると,さわりは「身形を整えて綺麗にお化粧しなさい」「いつも靴をピカピカに磨いておきなさい」という「えっ?」となるような言葉が返ってくる。

つまり,自分に接するすべての人に不快感を与えぬように日々気を付けなさいと言っているのだ。彼らは答えを知っている。人は自分で自分を幸せにはできないことを…。だから人との関わり方に関する言葉が返ってくるのだ。

私は答えを得て十年余り生きてきた。ふと歩いた道を振り返ると,それは真っ直ぐな一本道で,道端には私をこれまで支えてくれた沢山の仲間の笑顔がある。そんな風に見える。

日々確信に近づくというより,既に核心を得ている。真っ直ぐな一本道だと思える限り,私の過去は「今日も真っ直ぐ歩け」と今の私に教えてくれる。

そして五十路となった今の私は,任侠道の精神で全原因自己を表現してみる。

「己を捨てる」

子供の頃からやくざ映画が好きだった理由が今頃になってわかった(苦笑)

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