文系出身者の建築構造計算 GenS Weblog

建築構造計算に関する情報 と 文系出身のGenSが極めて私見を綴ったWeblogです。たまに趣味ネタも書いてます。


大人になるということ

二十歳で成人するのなら,私は三十年近くも大人として生きてきたことになる。

しかし,自分の感想としてはつい十年ほど前。不惑を超えてようやく大人になれた気がする。自分の生き方や顔というべき信念ができ,それを貫くことに迷いがない様。まさに不惑。昔の人は上手く言ったものだ。

真の意味での大人とはなんだろう?

二十代
まるでガキ。怖いもの知らずで無知で勢いだけのただのクソ餓鬼。

三十代
「全原因自己」という今思えば永遠に解けない魔法の言葉を与えられ,それを完全に租借し,己の血となり肉とするために,もがき苦しみながら得とくした時代。次の時代を生き抜くための技術を得た時代でもある。

四十代
自分はどう生きればいいのか?何をすべきか?ようやくその答えを得て,腹を括るでもなく,覚悟を決めるでもなく,ありのままそのままの自分が自然に貫いてしまう信念を得て,これから先の生き方に何の不安も迷いもない,まさに不惑から始まった。

四十代を振り返ると,東京転勤=単身赴任,退職と独立,まさに修羅場という状況も,何もかもすべて失ったような挫折感も,青天の霹靂というべき出来事もあった。

それでも,この十年を振り返ってみると,歩いてきた道は真っ直ぐな一本道で,そこには私を支えてくれた沢山の人々の笑顔がある。私にはそんな風に見える。

不惑に抱いた初心というべき信念は,1mmもブレることなく今に続いている。

まさに激動の時代といえる刺激的でダイナミックな変化に富んだ時代だったが,心に表も裏もなければ闇も矛盾も抱えることなく一点の曇りもない。

私は何一つ変わってなどいない。

今生を貫く信念を得て,人ははじめて大人になるのだと思う。

答えを探し,もがき苦しみながら,成長という名の変化を続ける間は,実年齢に関係なく子供なのだ。

Twitterのあるフォロワーさんが言っていた「信念=貫いてしまうもの」という言葉にとても共感したが,ありのままそのままの自分が一点を見つめて静かに心が定まるように,自然とそこにある心の在り様が信念なんだと思う。

覚悟を決めて,無理をして,心をそこに向けること自体に多大な労力を要するような,まるで別人になるかのような心の在り様では,やがて疲弊し続かなくなる。そんなものを信念とは呼ばない。

つまり,いつまでも変わらない人が大人なんだと思う。

変わる必要のない己の生き方を得た人が大人なんだ。

そして,真っ直ぐな一本道だと思える私の過去は,明日も変わることなく真っ直ぐ歩けばいいと,今の私に教えてくれる。

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